MakeMKV for Mac が“静かに消える”理由

 2026年2月初旬、Mac 上で少し不可解な現象が起きた。

以前から使用していた MakeMKV for Mac が、
ユーザー操作なしに、ある日突然 Mac から消えていた のだ。

ゴミ箱にもなく、エラーメッセージも警告も表示されない。
ただ「存在していなかったかのように」消えている。


公式サイトの変化に気づく

違和感を覚えて MakeMKV の公式サイトを確認してみると、
もう一つ、興味深い変化があった。

以前は表示されていた macOS 版のダウンロード導線が消えており
トップページでは Windows 版のみ が強調されている。

macOS 版が明示的に「終了」と書かれているわけではない。
ただ、何も語られず、フェードアウトした という印象だ。


再インストールはできる。しかし…

幸い、過去にダウンロードしてあった インストーラは手元に残っていた ため、
再インストール自体は問題なく行えた。

起動もできる。
DVD や Blu-ray も読み込める。

しかし──
しばらくすると、また消える。

これを何度か繰り返して、ようやく気づいた。


これは MakeMKV の問題ではない

この挙動は、アプリ側のクラッシュや不具合とは明らかに違う。

考えられるのは、
macOS 側のセキュリティ機構によるサイレント削除 だ。

近年の macOS では、

  • notarization(公証)

  • Gatekeeper

  • XProtect / MRT

といった仕組みにより、
「危険と判断されたアプリを、ユーザーに通知せず削除する」
という動きが実装されている。

MakeMKV は性質上、

  • DRM(AACS / BD+)に関与する

  • 動的ライブラリを多用する

  • Apple の思想と真っ向から衝突する用途

これらの条件をすべて満たしてしまう。

つまりこれは、

アプリが壊れたのではなく
プラットフォームから“排除”されている

という現象だと考えるのが自然だ。


「警告しない」という設計思想

かつて macOS は、
「危険なアプリです。実行しますか?」
とユーザーに判断を委ねてきた。

しかし最近は違う。

  • 警告しない

  • 選ばせない

  • 気づかせない

ただ 消す

MakeMKV の件は、その象徴的な例に見える。


現時点での結論

2026年2月時点では、

  • MakeMKV for Mac は 動作することもある

  • しかし 常用は極めて不安定

  • macOS 側の仕様変更で、今後さらに厳しくなる可能性が高い

Mac で Blu-ray / DVD をアーカイブしたい場合、
現実的な選択肢は以下に限られてくる。

  • 古い macOS 環境を隔離して使う

  • Intel Mac + 旧OS

  • Windows / Linux マシンを併用する


これは一つの時代の終わりかもしれない

MakeMKV は今も優れたツールだ。
だが macOS というプラットフォームにおいては、
居場所を失いつつある のが現実だろう。

これは MakeMKV の敗北ではない。
思想の違いによる、静かな決別 だ。

記録として、ここに残しておく。

(EOF)

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